プロゲステロン(黄体ホルモン)の役目って?
前回は月経のメカニズムについて解説しましたが、今回はその続きです。
特にPMSの原因に深く関わっているとみられる「プロゲステロン」(黄体ホルモン)について、簡単ではありますが紹介しておきたいと思います。
脳下垂体から黄体化ホルモンが分泌されたことをうけて、卵胞が破けて排卵が起こることを前回説明しましたが、この破れてしまった排卵後の卵胞は、その後、黄体化ホルモンの刺激を受けて、さらに「黄体」というものに変化して行きます(言葉どおり黄色い物体です)。
排卵が起こるまでは、卵胞から分泌される「エストロゲン」が重要な役目を担ってきましたが、排卵後はエストロゲンの分泌は急速に減少する一方で、黄体から「プロゲステロン」という女性ホルモンが大量に分泌され始めます。
プロゲステロンの役目は、妊娠していても大丈夫なようにカラダの状態を整えることです。
むくみや便秘もプロゲステロンが原因?
プロゲステロンは妊娠に向けて体に準備をさせる物質。
ですから排卵後も、受精卵のベッドである子宮内膜はプロゲステロンの刺激されて、さらに厚く柔らかくなりますし、この時期にむくみや便秘が起こりやすいのも、プロゲステロンの影響で、カラダが水分や栄養素を溜め込もうとするためだと考えられています。
もちろん受精卵の着床がなければ、妊娠した時のためにカラダを整えておく必要はありませんから、子宮内膜の解体、つまりは月経が始まると同時に、プロゲステロンの分泌量は激減します。
そして月経のサイクルは、また最初に戻り……、再びエストロゲンが活躍する順番となるわけです。