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月経前はプロゲステロンが優位、だから不調になる?

PMSの症状が見られる月経前の14日間は、言い換えれば、黄体から大量のプロゲステロンが分泌されている時期でもあります。

それは見方を変えれば、「PMSの原因はプロゲステロン」ということ意味しているのでしょうか?

PMSで10日間悩まされる人もいれば、月経の直前に一日寝込むだけという人まで、PMSの症状の出る長さは一人ひとりで違いますが、いずれにしても、月経前の14日間を越えないのがPMSの一番の特徴です。

言うまでもなくこの期間は、月経の周期で見れば、排卵から月経直前の時期にあたります。

つまりは、プロゲステロンが活躍する時期イコール、PMSの起こる時期というわけです。

これをある意味素直に受け取れば、PMSの原因はプロゲステロンだと言えそうな気がしますし、実際、PMSは「プロゲステロンが悪さをすることで起こる」といった説明も見かけたりします。

しかし、事はそう単純ではありません。

プロゲステロンが分泌される→PMSになる、というわけではない

たとえば、血液中のプロゲステロンの濃度を検査してみても、PMSの人とそれ以外の人とで違いは見られませし、第一、妊娠時には胎盤から、それこそ月経前に比べても、さらに大量のプロゲステロンが分泌されますが、その時期にPMSの症状が出ることはありません。

むしろ推測するならば、排卵から月経直前の時期には、もっとプロゲステロンが必要であるにも関わらず、その量にまで達していないために、カラダに様々な不調や不快の症状が出ると考えた方がよいかもしれません。

なお、PMSの原因の説明として一番よく見かけるのは、「PMSはホルモンバランスが崩れたことで起こります」というものですが、その具体的内容となると、いまだ明確な原因は解明されていないというのが現状です。

PMSの治療や対処法が、どうしても対症療法的になるのはそのためです。